【 個人的見解と投資行動 】

スペースXのIPO価格が135ドル固定で決まりました。これは時価総額で283兆円規模です。 ハイパーリキッドでの価格は4日の15時時点で2,080ドルを超えており、15倍を超えています。これでは時価総額は4,360兆円ということになり、あり得ない価格水準です。

これは絶好のショート機会と捉えて試しにショートしてみます。スペースX上場後に市場でショートをしてみたいですが、まだ当初はイーロンマスクにも遠慮してショートを行える取引所はないでしょうから、ハイパーリキッドでチャレンジします。

 

【機密・投資判断参考資料】

エグゼクティブ・サマリー

 

スペースXは2026年6月12日にNasdaq上場(ティッカー:SPCX)を予定。IPO売り出し価格$135(評価額$1.75兆)に対し、Hyperliquidの合成先物は$2,190超で取引されており、市場の熱狂が歴史的な高水準にある。本レポートは2025年主要IPO銘柄の上場後パターンを詳細に分析し、スペースX上場後のショート機会と適切なエントリーウィンドウを特定する。

 

1. スペースX IPO概要

1.1 基本情報

スペースXSpace Exploration Technologies Corp.)は2026520日にS-1を公開申告、61日にS-1/A(修正申告)を提出した。ロードショーは64日開始、価格決定は611日、上場は612日を予定している。これは史上最大のIPOとなる見込みである。

項目 内容
ティッカー SPCX(Nasdaq / Nasdaq Texas)
上場日 2026年6月12日(予定)
IPO価格 $135/株(固定価格)
売出し株数 5億5,560万株
調達総額 $750億(史上最大)、OA全行使で最大$857億
評価額 $1.77兆(EchoStar・Cursor取引クローズ前提)/当初$2兆から引き下げ
主幹事 ゴールドマン・サックス(ブックランナー)、モルガン・スタンレー、BofA、シティ、JPMorgan(計21行)
議決権 イーロン・マスク82.4%の議決権を保持(S-1/A確認値)
初期フロート 約3%(極めて薄い)
2025年売上高 $186.7億(前年比+33%)
2025年純損失 ▲$49.4億
Q1 2026純損失 ▲$42.8億(年率換算で$170億以上)
BTCポジション 8,285 BTC(Coinbase Prime管理)

1.2 評価額引き下げの背景

スペースXは当初$2兆の評価額を目指していたが、S-1公開後に$1.8兆に引き下げ、最終的には$1.75兆の固定価格$135で設定した。この引き下げは投資家フィードバックを反映したものとされる。主な懸念点は以下の通りである。

  • P/Sレシオが約94倍と極めて高く、Microsoft・Appleを大幅に上回る水準
  • 赤字継続中(2025年純損失$49.4億、Q1 2026も▲$42.8億)
  • アドレッサブル市場$28.5兆という過大な主張への懐疑論
  • xAIとの2026年2月の合併による財務の複雑化
  • Morningstarが適正株価を$7,800億($780billion)と算出——IPO評価額の約55%下

2. Hyperliquidにおける先物価格とIPO価格の乖離

2.1 Hyperliquidとは

HyperliquidHYPE)は完全オンチェーンで動作する分散型デリバティブ取引所(DEX)。2025年年間手数料$9.51億・収益$8.74億を計上し、現在の年率換算手数料は$6.56億。Trade.xyzが開発したHIP-3フレームワークを利用したスペースX合成先物(SPACEX-USDH)の提供プラットフォームとして機能している。

2.2 価格乖離の実態

2026518日、Trade.xyzHyperliquid上でスペースX pre-IPO先物(SPCX-USDC)を参照価格$150でローンチした。発射直後に$216まで急騰し、$203付近で安定した。その後SPACEX-USDHコントラクトは$2,190$2,212付近で推移している(202664日時点)。

指標 価格 暗示的評価額
IPO売り出し価格 $135 $1.77兆
Hyperliquid Mark価格(6/4時点) $2,190.5 ~$26兆
Hyperliquid Oracle価格 $1,963.2 ~$23.3兆
参照価格(ローンチ時) $150 $1.78兆
Mark vs IPO価格乖離率 +1,522% 株式取得不可・純投機

2.3 Hyperliquid合成先物の本質的リスク

この合成先物(SPACEX-USDH)は株式の所有権を付与せず、実際のスペースX株を保有していない。公開ベンチマーク価格が存在しないため、深刻な流動性リスクがある。2026528日、たった30分で$2,277から$1,254まで▲45%の急落を記録し、405名・$151万のポジションが強制清算された。

  • Mark価格とOracle価格の乖離が$220超で恒常化——誰がどのように評価するかが不透明
  • 1日の取引量$487万程度の市場で、1本のローソク足が市場全体の出来高を吸収
  • 空売り保証金(USDH建て)の利用可能性や借入コストが高い
  • 清算時のロスミュータリゼーション(損失分担)リスクが常に存在

3. 2025年主要IPO銘柄の上場後パターン分析

3.1 概況

2025年のIPO市場は2021年ピーク以来最も活発な年となった。FigmaCircleCoreWeaveなど大型案件が多数上場し、初日の平均上昇率は約24%に達した。しかし大半のIPOはその後急速に失速しており、「初日ポップ急落」のパターンが顕著だった。

3.2 主要IPO銘柄比較データ

銘柄 IPO価格 初日高値 高値からの下落率 IPO価格比

(現状)

主な要因
Figma (FIG) $33 $142.92 ▲80%以上 ▲57% 過熱バリュエーション、ロックアップ解除
CoreWeave (CRWV) $40 $187 ▲59% +91% AI特需への過大評価、その後調整
Klarna (KLAR) $40 $57(初日) ▲62% ▲62% 赤字転落、クラスアクション訴訟
Circle (CRCL) $31 $87(初日) (維持) +510% ステーブルコイン規制整備が追い風
Venture Global (VG) $25 $41(初日) (要確認) (変動中) エネルギー価格連動、2021年来最大規模

3.3 各銘柄の詳細分析

FigmaFIG――最も典型的な「ポップ&クラッシュ」事例

20257月にIPO価格$33NYSE上場。初日開値$85・終値$115.50250%超の急騰を記録、その後$142.92のピークに達した。しかし3段階のロックアップ解除(930日・1231日・2026331日)が近づくたびに大量のインサイダー株が売却され、最終的にピークから80%超の下落。P/Sレシオが4050倍という過熱バリュエーション、AI関連セクターへの資本シフト、及びソフトウェアセクター全体の評価圧縮が複合して作用した。

CoreWeaveCRWV――AI特需と「調整」の両面

20253月にIPO価格$40Nasdaq上場(Nvidia$2.5億分を機関投資家として購入)。4月末からAI熱の高まりで急騰し、620日に$187のピーク。その後▲59%の急落を経て、現在はIPO価格比+91%程度で推移。AI GPUクラウドという「今もっとも必要とされる」インフラゆえに底堅いが、ジャンク債による資金調達構造への懸念も指摘されている。

KlarnaKLAR――上場後の業績悪化が引き金

20259月にIPO価格$40NYSE上場、初日は$57の高値まで上昇し+14.6%で終値。しかしFRB議長の「やや割高」発言やBNPL市場の懸念から早期に$40割れ。20262月の2025年通期決算発表で純損失$0.79/株が判明(利益からの転落)、2日間で▲27%急落。IPO後クラスアクション訴訟も発生し、現在IPO価格比▲62%の水準。

Circle Internet GroupCRCL――例外的な成功事例

20256月にIPO価格$31NYSE上場。初日に+168%の急騰を記録し、現在はIPO価格比+510%以上。ステーブルコイン規制整備(2025GENIUS法案など)が追い風となり、USDC発行体として明確なビジネスモデルと急成長する需要が評価された。ただしこれは例外中の例外であり、2025IPOクラス全体の中でも突出した存在である。

3.4 2025IPOクラス全体の傾向

SaaStr分析(20262月)によれば、2025IPO13銘柄のうち、水面上(IPO価格超)にあるのは3銘柄のみ。初日の強烈なポップ(Figma×4倍、Circle+122%等)は「ほぼ普遍的」に発生したが、そのポップは大半が急速にフェードした。機関投資家による即時フリップ(初日高値売り)が常態化しており、個人投資家は割高なセカンダリーマーケットで掴まされる構図となっている。

4. スペースX IPO後ショート戦略の詳細分析

4.1 バリュエーション比較

指標 スペースX IPO目標 Morningstar評価 乖離率
企業価値評価 $1.75兆 $7,800億 ▲55%過大評価
P/Sレシオ(2025年売上基準) 約94倍 N/A(過大) 参考:Nvidia≒30倍
Hyperliquid現在価格(暗示的時価総額) $2,190(~$2.6兆) IPO価格$135 +1,522%プレミアム
Q1 2026純損失 -$42.8億 赤字継続 黒字化見通し不明確

4.2 ショートを支持する根拠

1Morningstarによる55%過大評価

著名投資調査機関Morningstarは、スペースXの適正企業価値を$7,800億ドル($780billion)と算出した。これはIPO目標評価額$1.75兆の約55%下に相当し、現在のHyperliquid価格が示唆する評価額$26兆とは文字通り桁違いの差がある。Morningstarは「xAIが価値破壊の重大リスク」「経済的競争優位(モート)は不確定」と明示している。

2)赤字体質と高P/Sの両立不能性

$1.75兆の評価額はP/Sレシオ約94倍に相当する。Microsoftですら約12倍、Nvidiaでも約30倍であることを考えると、スペースXへの「宇宙・AIStarlink」プレミアムがいかに過大であるかがわかる。Q1 2026の純損失$42.8億は、年率で$170億超のバーンレートを示唆する。黒字化見通しも示されていない。

32025IPOパターンとの類似性

Figmaは初日に4倍超に急騰した後、80%以上下落した。Klarna初日+30%の後、最終的に▲62%CoreWeaveはピークから▲59%。「期待先行型・赤字継続型・高バリュエーション型」という特徴を持つスペースXは、これら失敗事例の典型的プロファイルに合致する。

4)評価額引き下げのシグナル

$2兆から$1.8兆、そして$1.75兆への評価額引き下げは、ロードショー前から既に需要の「弱さ」を示唆している可能性がある。過去の大型IPOでも「評価額の上方修正なき上場」は、その後の苦戦を示すシグナルとなることが多い。

4.3 ショートを阻む重大リスク(反証)

リスク要因 詳細 影響度
Nasdaq-100 高速組み入れ IPO後15営業日でNDX組み入れ → インデックスファンドの強制買い。$150~300億規模の需要創出の可能性 ★★★★★ 非常に高
段階的ロックアップ解除 70/90/105/120/135日後に各7%ずつ解除。従来型の一括解除より株価への下押し圧力は分散 ★★★☆☆ 中程度
流動性リスク 初期フロートは約3%のみ。薄い市場で大口売りが発生した場合のクラッシュリスク(Hyperliquidで45%急落の前例あり) ★★★★☆ 高
マスク・プレミアム イーロン・マスクの政治的立場・各社経営への関与が株価変動要因。85%議決権保有 ★★★★☆ 高
空売り制約 借株調達が困難な可能性。IPO直後は高い貸株コスト(short borrow fee)が発生しやすい ★★★★☆ 高
xAIとの統合リスク 2026年2月に実施したxAIとの合併。財務の複雑化・利益相反・シナジー実現の不確実性 ★★★☆☆ 中程度

4.4 タイミング別ショート戦略

フェーズ 想定シナリオ ショート戦略
Phase 1

IPO直後~15営業日

インデックス組み入れ需要・投機熱が最高潮。$200~300超まで上昇する可能性。Hyperliquidでの価格は$2,200超を示唆 待機 / ポジション構築準備。空売りは時期尚早
Phase 2

1570日目

インデックス組み入れ後の「イベント終了」売り。機関投資家のフリップが始まる。Figma・Klarna同様のパターンが想定される ショート開始の主要ウィンドウ。高値圏での売り建て狙い
Phase 3

70180日目

段階的ロックアップ解除(各7%×5回)が進行。インサイダー売り出しによる持続的下落圧力。Q2決算発表が重要トリガー ショート維持 / 下落加速なら増玉も検討
Phase 4

180日~

完全ロックアップ解除後。財務実態(赤字体質・高P/S)との乖離縮小局面。Morningstar目標$7,800億ドル水準への収束可能性 長期ショート継続またはポジション整理

5. Hyperliquid合成先物でのショートについて

5.1 Hyperliquid SPACEX-USDHでのショートの特性

Hyperliquidの合成先物でショートポジションを持つ場合、株式市場でのショートとは異なる仕組みと独自のリスクが生じる。

  • 最大レバレッジ3倍(vntl提供のSPACEX-USDHコントラクト)
  • Funding Rate:現在0.0043%/時間(Longが支払い側=ショートが有利)
  • Mark価格とOracle価格の乖離$220超が決済基準の不透明さを生む
  • 薄い流動性(24時間出来高$30万程度)のため、ポジション解消時のスリッページリスク大
  • 2026年5月28日の45%フラッシュクラッシュ事例:1本のローソク足で$151万の強制清算が発生

5.2 現実的なポジションサイジング指針

Hyperliquidでの合成先物ショートは、正規の株式ショートに比べてリスクが著しく高い。以下の点を厳守することが最低条件となる。

  • ポジションサイズはリスク許容額の5~10%以内に限定
  • Oracleとの乖離$200以上のゾーンを確認してからのショートエントリーが基本
  • ストップロスは必ず設定(特に薄い流動性市場では急騰時に致命的損失になりやすい)
  • Funding Rateの方向性を定期的に確認——ロングが多ければショートには有利
  • 上場後の株式市場でのSPCX本体の動向とHyperliquid価格の相関を継続監視

6. スペースX上場後のシナリオ別シミュレーション

6.1 強気シナリオ(確率30%

Nasdaq-100への超高速組み入れ(上場後15営業日以内)が強制買いを$150300億規模で誘発。マスク支持者の個人投資家殺到と合わさり、公開初日に$200300超まで急騰。Hyperliquid Mark価格は現在既にこの水準を先取りしている。ただし、インデックス組み入れ完了後は「買いイベント終了」売りが発生するため、持続性は低い。

6.2 基本シナリオ(確率45%

IPO初日に$150200程度まで上昇後、1530日以内に失速。ロックアップ解除が進むにつれて段階的に$100135IPO価格付近)まで調整。612ヶ月後には財務実態(赤字・高P/S)を反映して$80100水準に収束。FigmaKlarna型の「段階的失望売り」シナリオ。

6.3 弱気シナリオ(確率25%

Q2決算発表での赤字拡大・ガイダンス不足が嫌気され急落。Morningstarが示す適正値$7,800億ドル(1株換算約$66)方向への収束。マスクリスク(政治スキャンダル・Tesla/xAIとの利益相反問題)が顕在化した場合は一段安も。IPO618ヶ月での▲5060%下落は、2025年主要IPOの実績(Figma▲80%超・Klarna▲62%)と整合する。

7. 結論と推奨アクション

7.1 総括

スペースXは「史上最大のIPO」という歴史的なイベントである一方、以下の3つの構造的矛盾を抱えている。

  • 評価額の過大性:P/S 94倍・赤字継続・Morningstar55%過大評価
  • 市場熱狂の先行:Hyperliquid価格がIPO価格の1,500%超のプレミアムを示唆
  • 2025年IPOパターンとの一致:「ポップ&クラッシュ」の典型的条件を全て満たす

しかし同時に、Nasdaq-100高速組み入れという極めて強力な「買いの壁」が存在する。ショートは有力な戦略だが、エントリータイミングの精度が収益の鍵を握る。

7.2 推奨アクション

短期(IPO後~30日)

  • ショートは控え、上値余地を見極める待機期間と位置づける
  • Hyperliquid SPACEX-USDHのOracle価格・Funding Rateを継続監視
  • インデックス組み入れ完了のタイミング(15営業日目)を正確に把握

中期(IPO3090日)

  • 株式市場でのSPCX本体ショートを主軸に、Hyperliquidはサブポジションとして活用
  • ロックアップ解除スケジュール(70/90/105/120/135日後)に合わせた増玉・利確計画の策定
  • Q2決算発表(2026年8~9月頃想定)をイグジットの主要トリガーとして設定

長期(IPO90日~)

  • 完全ロックアップ解除後の継続的な売り圧力を活用したポジション維持
  • Morningstar評価額$7,800億ドル(1株$66)方向への回帰を長期目標として設定

7.3 最終的な免責事項

本レポートは情報提供を目的としており、特定の投資行動を推奨するものではありません。IPO投資は高リスクであり、特にHyperliquidの合成先物は実際の株式とは異なる独自のリスクを持ちます。投資判断はご自身の責任において行い、必要に応じて金融専門家にご相談ください。過去のIPOパターンは将来の結果を保証するものではありません。スペースXIPO日程・価格は変更される可能性があります。