エグゼクティブサマリー

2026年第2四半期決算シーズンが7月14日の主要銀行決算から本格的に始動する。FactSetによると、S&P500全体の第2四半期の前年同期比EPS成長率は23.3〜23.6%と予想されており、これが実現すれば2四半期連続の20%超成長、7四半期連続の二桁成長となる。決算に対する事前ガイダンスも良好で、ポジティブなEPSガイダンスを出した企業の比率は57%と過去5年・10年平均(41%)を大きく上回っている。

今回の決算スケジュールで特に注目されるのは、(1)7/14の主要銀行(JPモルガン、ゴールドマン、バンク・オブ・アメリカ)によるクレジット動向とネット金利マージン(NIM)、(2)7/15〜16のASML・TSMCによるAI半導体需要とEUV受注動向、(3)7/22のアルファベット・テスラという「マグニフィセント7」の一角による設備投資動向とAIマネタイズの進捗、(4)7/23のインテルによるファウンドリ再建の進捗、である。特にテクノロジーセクターは前年比+48.5%という突出した成長が見込まれ、S&P500全体の成長を牽引する構図が続く。

一方、バリュエーションはシラーCAPEレシオが約41倍、フォワードPERも20.4〜20.5倍と過去平均を上回る水準にあり、決算内容が期待に届かない場合の調整リスクも意識される。また7月14日には6月CPIの発表が決算と重なり、インフレ動向とFRBの金融政策スタンスも株式市場のボラティリティを左右する重要な変数となる。

主要企業 決算スケジュールとコンセンサス予想

画像で示された日経モーニングプラスの決算カレンダーに基づき、各社の最新アナリスト・コンセンサス予想を以下にまとめた。

日付 企業 コンセンサスEPS 前年比 コンセンサス売上高 前年比
7/14(火) JPモルガン・チェース $5.44〜$5.61 +10〜13% $48.7〜49.6B +8.4%
7/14(火) ゴールドマン・サックス $13.64〜$14.47 +25〜33% $15.9〜16.0B +9〜10%
7/14(火) バンク・オブ・アメリカ $1.13 +27% $30.8B +16%
7/15(水) ASML(蘭) €8.03 / $7.98(通貨表示は情報源による) +約75% €8.4〜9.0B +9〜17%
7/16(木) TSMC(台湾) $3.80〜$3.83(ADR) +55% 約$40.0B +33%
7/16(木) ネットフリックス $0.79 +10% $12.57B +13.5%
7/21(火) GM $3.11〜$3.18 +23〜26% $46.9B △0.4%(ほぼ横ばい)
7/21(火) 3M $2.25 +4.2% 非開示
7/22(水) アルファベット $2.88 +25% $116.5B +21%
7/22(水) テスラ $0.42〜$0.48 +20% $24.6〜25.4B +13%
7/22(水) テキサス・インスツルメンツ $1.92(社ガイダンス$1.77〜2.05) +約36% $5.0〜5.4B +約17%
7/23(木) インテル $0.10〜$0.21(社ガイダンス$0.20) 黒字転換(前年は非GAAPで赤字) $14.3〜14.4B +約11%

出所: Yahoo Finance, Zacks, Benzinga, TipRanks, FactSet, Nasdaq 等の分析をもとに作成(20267月上旬時点のコンセンサス)。ガイダンス欄がある銘柄は会社側ガイダンスとアナリスト予想が異なる場合がある。

図表1: コンセンサスEPS前年比成長率

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金融()は堅調な二桁成長、半導体()3575%の高成長。インテルは前年同期が非GAAPベースで赤字(-$0.10)のため、%表記が意味を持たずグラフからは除外(黒字転換の見込み、詳細は本文参照)

図表2: コンセンサス売上高前年比成長率

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TSMC+33%が全体の中で際立ち、AI向け先端プロセス需要の強さを反映している。GMは前年同期実績とほぼ横ばい(微減)の見込み。3Mは信頼できる売上高コンセンサスが確認できなかったためグラフから除外。

714(): 主要金融機関決算

JPモルガン、ゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカに加え、ウェルズ・ファーゴ、シティグループも同日に決算を発表する。オプション市場が織り込む決算後の株価変動幅は、ゴールドマンが6.0%と最大で、シティ・ウェルズが5.5%、バンク・オブ・アメリカが4.5%、JPモルガンが4.4%となっている。

JPモルガン・チェース(JPM)

  • コンセンサスEPSは$5.44〜$5.61(情報源により差異があり、平均は$5.52前後)、前年同期比+10〜13%程度。売上高は$48.7〜49.6B、+8.4%前後の見込み。
  • 直近4四半期連続でEPS予想を上回っており、投資銀行(IB)手数料は前年比10%以上の増加を経営陣がガイダンス。引受手数料はIB手数料の約6割を占め、けん引役となる見通し。
  • BofAのアナリストは主要8行すべてが決算で予想を上回ると予想。金利収入(NII)とウェルスマネジメント資金流入の強さが下期以降の増益要因になるとの見方。
  • アナリスト平均目標株価は$353.57で現値から+5.4%程度の上昇余地。レーティングはModerate Buy。

ゴールドマン・サックス(GS)

  • コンセンサスEPSは$13.64〜$14.47、前年比+25〜33%という大幅増益予想。第1四半期は$17.55(予想を7.2%上回る)と好調だった反動で、今回は前四半期比では減少も、歴史的にはなお高水準。
  • M&A・IPO案件の増加が寄与。第2四半期のグローバルM&A案件総額は約1.2兆ドルと、前年同期の水準を上回る見込み。トレーディング収益への依存度が高く、市場のボラティリティが業績を左右しやすい点には留意。
  • 四半期配当を$4.50から$5.00へ引き上げる計画。

バンク・オブ・アメリカ(BAC)

  • コンセンサスEPSは$1.13、前年比+約27%。売上高は$30.8B、+16%の見込み。直近8四半期連続でEPS予想を上回っている。
  • 投資銀行部門はゴールドマンほどの規模ではないが、トレーディング・IBパイプラインに関する経営陣コメントが注目点。

総括: 銀行決算での焦点はヘッドラインEPSの上回り・下回りよりも、NIM(純金利マージン)の推移とクレジット損失引当金の動向にある。FRBの利下げ観測が後退する中、NIMが2.7〜2.9%のレンジを維持できるかが焦点となる。またJPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOによる地政学リスクや規制動向に関するコメントも市場の関心が高い。

715(): ASML(オランダ・半導体製造装置)

ASMLは世界で唯一EUV(極端紫外線)露光装置を製造する企業であり、AI半導体ブームの持続性を測る「先行指標」として位置づけられる決算となる。

  • 会社ガイダンスは売上高€8.4〜9.0B、粗利益率51〜52%。アナリストのコンセンサスEPSは情報源により€8.03または$7.98(いずれも別々のアナリスト予想であり、単純な為替換算ではない)とされ、前年比+約75%の大幅増益予想。
  • 売上高ガイダンス(€8.4〜9.0B)は前年同期の実績€7.7Bと比較すると+約9〜17%の増収に相当する。ドルベースのZacksコンセンサス($10.28B)では+17.8%の増収と見積もられている。
  • 最重要指標は「純受注額(ネットブッキング)」。ASMLは売上高を装置の設置・検収時点で計上するため、受注から売上計上まで12〜18か月のタイムラグがある。したがって足元の受注動向こそが将来のAI投資サイクルの持続性を映す。参考までに2025年第4四半期の純受注は€13.2B(うちEUVが€7.4B)、バックログは€38.8Bだった。
  • リスク要因: オランダが6月に「Pax-Silica」という米国主導の対中輸出規制枠組みに参加したと報じられ、DUV(旧世代装置、売上の約2割を占める)への規制強化観測が浮上。米当局によるEUV装置の対中流出疑惑(ASMLは否定)も株価の重荷となっている。
  • 株価は年初来+60〜68%と大幅上昇しており、決算内容次第では利益確定売りのリスクもある。

716(): TSMC(台湾)・ネットフリックス

TSMC(台湾積体電路製造)

  • 会社ガイダンスは売上高$39.0〜40.2B(前四半期比約+10%)、粗利益率65.5〜67.5%。アナリスト・コンセンサスはADRベースEPS $3.80〜3.83、前年比+55%。
  • 直近4四半期の平均サプライズ率は+8.34%と、予想を上回り続けている実績あり。CEOのC.C.Wei氏は「AI需要は極めて堅調」とコメントし、生成AIからエージェント型AIへの移行が計算需要を押し上げていると説明。
  • 2026年通期の設備投資は$52〜56Bレンジの上限に近づく見通しで、先端ノード(N2/N3)の増産投資を継続。CoWoS先端パッケージング能力は「2026年を通じて完全に埋まっている」状態で、2027年まで予約が入っている。
  • Citi・Barclaysなど複数の証券会社が決算前に目標株価を引き上げ。通期売上高成長率ガイダンス(現行30%超)の再引き上げがあるかが焦点。

ネットフリックス(NFLX)

  • 会社ガイダンス・コンセンサスともに売上高$12.57B(+13.5%)、EPS $0.79(+10%、なお同社は株式分割を実施しており過去のEPS水準とは単純比較不可)。営業利益率は32.6%を計画。
  • 直近四半期(Q1)はワーナー・ブラザース・ディスカバリー買収破談に伴う$2.8Bの解約金が押し上げ要因となり、EPSは予想を大幅に上回った反動もあり、今回は市場予想がやや保守的。直近四半期の決算は7.89%の未達だった。
  • 広告事業の進捗が焦点。広告付きプランの月間視聴者数は2.5億人超に拡大しており、2026年通期の広告収入目標(約$3B、前年比ほぼ倍増)の達成度が注目される。
  • 株主構成・ガバナンス面では共同創業者リード・ヘイスティングス氏の会長退任等の変化があり、株価は年初来で約17〜41%下落(直近高値からの下落)と軟調。バリュエーション調整が一巡したかが今後の焦点。

721(): GM(ゼネラルモーターズ)3M

GM

  • コンセンサスEPSは$3.11〜$3.18、前年比+23〜26%。売上高コンセンサスは$46.9Bで、前年同期の実績$47.1Bと比べるとほぼ横ばい(微減)の見込み。直近8四半期連続でEPS予想を上回る実績。
  • $6Bの自社株買い計画や増配など積極的な株主還元策を継続しており、株価は年初来+59%近く上昇。高マージンのトラック・SUV需要の底堅さが増益要因。

3M(スリーエム)

  • コンセンサスEPSは$2.25、前年比+4.2%と緩やかな増益予想。通期では$8.71(+8.1%)を見込む。
  • 直近4四半期連続でEPS予想を上回っている。AIを活用した顧客向けデジタルアシスタント「Ask 3M」を6月に開始するなど、成長分野への投資も進めている。株価は年初来+13.7%とインダストリアルセクター平均をやや下回るパフォーマンス。

722(): アルファベット・テスラ・テキサス・インスツルメンツ

アルファベット(GOOGL)

  • コンセンサスEPSは$2.88、前年比+25%。売上高は$116.5B、+21%の見込み。ウォール街のコンセンサス評価はStrong Buy(28 Buy、5 Hold)と「マグニフィセント7」の中でも最も強気な評価。
  • Google CloudおよびGemini(AI)の採用状況、検索広告収入(+17%成長予想)が焦点。AI投資拡大に伴うコスト増を懸念して目標株価を引き下げるアナリストも一部いるが、総じて強気な見方が優勢。

テスラ(TSLA)

  • コンセンサスEPSは$0.42〜$0.48、前年比+20%。売上高は$24.6〜25.4B、+13%の見込み。
  • 第2四半期の納車台数は480,126台とコンセンサス(約40.6万台)を大幅に上回ったが、発表後株価は7%超下落しており、市場の関心は台数から自動車粗利益率・キャッシュフローに移っている。
  • Cybercab(ロボタクシー)の展開状況、Optimus(人型ロボット)の進捗、2026年の設備投資計画($25B超)がAI・自律走行事業へどう転換されるかが焦点。イーロン・マスク氏によるスペースXとの合併観測(ウェドブッシュのデイブ・アイブス氏は実現確率80%超と言及)も株価材料となる可能性がある。
  • アナリスト評価はHold中心(10 Buy、15 Hold、3 Sell)で平均目標株価は$399.71〜$412.39と、現在値近辺にとどまる。

テキサス・インスツルメンツ(TXN)

  • 会社ガイダンスは売上高$5.0〜5.4B、EPS $1.77〜2.05。アナリスト・コンセンサスEPSは$1.92前後で、前年同期実績の$1.41から+約36%の増益見込み。売上高コンセンサスは$5.2B前後で、前年同期実績の$4.45Bから+約17%の増収見込み。
  • 第1四半期は19%の増収、アナログ半導体が+22%と牽引。データセンター・産業向け需要の回復が継続するかが注目点。フリーキャッシュフローの改善(2026年通期$8/株程度を計画)も評価材料。

723(): インテル(INTC)

  • 会社ガイダンスは売上高$13.8〜14.8B(中央値$14.3B)、非GAAP EPS $0.20、粗利益率(非GAAP)約39%。前年同期(2025年Q2)の非GAAP EPSは-$0.10の赤字だったため、黒字転換となる見込み(具体的な成長率は基準がマイナスのため意味を持たない)。売上高は前年同期実績の$12.9Bから+約11%の増収見込み。
  • 最大の焦点は18Aプロセスの歩留まり改善と外部ファウンドリ顧客の獲得状況。第1四半期時点で外部ファウンドリ収入はわずか$174Mにとどまっており、この比率がどこまで拡大するかが長期的な株価評価を左右する。
  • 18A-P(性能強化版)がリスク生産段階に入ったと6月に確認。14A世代のPDK v0.9公開(今秋予定)が次の重要マイルストーンとされ、Apple・AMD・NVIDIAとの評価協業の観測もある。
  • 株価は年初来+186〜205%と急騰した後、AI半導体バリュエーションへの警戒感や18A収益化の遅れ観測から直近1週間で約12%下落するなど、ボラティリティの高い展開。アナリスト評価はHold中心(平均目標株価$97.88前後)で、HSBCが$200への大幅な目標株価引き上げを行う一方、Bank of Americaは弱気(Underperform)を継続するなど評価が大きく割れている。

マクロ環境と市場全体の見通し

S&P500 決算シーズン概況

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FactSetによれば、S&P500全体の第2四半期(2026年4〜6月期)の予想EPS成長率は23.3〜23.6%(前年同期比)で、これは今年3月末時点の予想(+18.8%)から大きく上方修正された水準である。通年(2026年)ベースでも+24.1%の増益が見込まれている。セクター別では情報技術(+48.5%)とエネルギー(原油高の影響)が牽引役となっており、マグニフィセント7全体では+28.5%の増益、それ以外の企業群でも+22.5%の増益が見込まれるなど、増益の裾野は広がりつつある。

  • ポジティブ材料: AI関連の設備投資(2026年ハイパースケーラー全体の設備投資予想は$754B、前年比+83%)が半導体・AIインフラ関連企業の増益を牽引。ゴールドマン・サックスは2026年末のS&P500目標を7,600から8,000へ上方修正。
  • バリュエーション面の警戒: フォワードPERは20.4〜20.5倍(過去10年平均19.0倍)、シラーCAPEレシオは約41倍と歴史的に高水準。増益率が期待に届かない場合、株価調整リスクが意識されやすい局面。
  • マクロ材料: 6月雇用統計は+57,000人(市場予想+115,000人)と大幅な下振れ、4-5月分も下方修正。失業率は4.2%へ低下したが労働参加率低下が主因。CPIは前年比4.2%と2023年以来の高水準で、新FRB議長ケビン・ウォーシュ氏は「インフレは依然高すぎる」と警戒感を表明。7月28〜29日のFOMCでの政策判断が次の材料。
  • 季節性: S&P500は2015年以降11年連続で7月に上昇しており、7月の連続上昇記録が2026年も続くかが注目されている(7月8日時点ではわずかにマイナス圏)。

シナリオ分析: 今後2週間の市場展望

強気シナリオ(ベースケースに近い)

主要銀行がNIM横ばい・与信費用増加なしで決算を上回り、ゴールドマン・モルガン・スタンレーがM&Aパイプラインの健全性を確認。ASML・TSMCがEUV受注・AI半導体需要の強さを再確認し、通期ガイダンスを上方修正。アルファベット・テスラもクラウド/AI関連の成長加速を示せば、金融・半導体・メガテックの3本柱が相互補完し、S&P500は7,600〜7,800レンジを上抜けて史上最高値圏を維持する展開が想定される。KBW銀行株指数(BKX)は+3〜5%、フィラデルフィア半導体指数(SOX)も連れ高となりやすい。

ベースケース(現状の織り込みに近い)

銀行決算は「予想通り」の底堅い結果となるが、事前に好調が織り込まれているため「材料出尽くし」の売りが出る可能性(エバコアISIのグレン・ショア氏が指摘する“sell-the-news”リスク)。ASML・TSMCは好決算ながら、中国向け輸出規制など地政学リスクが上値を抑える。テスラは納車増加を追い風にする一方、自動車マージンや資本支出の重さが相殺要因となり、株価は方向感に乏しい展開。インテルは18A進捗への期待と外部顧客獲得の遅れが綱引きし、高いボラティリティが続く。全体として指数は横ばい〜小幅高で推移し、個別企業のばらつきが大きくなる。

弱気シナリオ(テールリスク)

7月14日のCPIが予想を上回り、FRBの利下げ観測後退・利上げ観測再燃となれば、金融株を含め株式市場全体に急落圧力がかかる可能性。加えて、銀行の与信引当金が想定以上に積み増しされたり、商業用不動産関連の懸念が強まった場合、セクター全体で4〜6%規模の下落も想定される。ASMLが対中規制強化やEUV受注の鈍化を示せば、AI関連銘柄全般に連想売りが波及するリスクがある。バリュエーションが歴史的高水準にある中、いずれかの主要企業(特にテスラやインテルなど期待先行の銘柄)で失望決算が出た場合、AI関連株全体のセンチメント悪化とポジション調整(利益確定売り)を誘発する可能性が高い。

主要リスク要因のまとめ

  • 金融セクター: NIM圧縮、与信費用(クレジットコスト)の急増、商業用不動産向けエクスポージャー。
  • 半導体・AI関連: 中国向け輸出規制の強化(ASML・TSMC)、AI設備投資サイクルの持続性への懐疑論、バリュエーション調整リスク(フィラデルフィア半導体指数は直近で大幅な変動)。
  • テスラ: 自動車粗利益率の動向、ロボタクシー・Optimusの商用化スケジュールの不透明感、SpaceXとの合併観測に伴う思惑的な値動き。
  • インテル: 18Aプロセスの収益化タイミング、外部ファウンドリ顧客獲得の遅れ、AI推論市場におけるNVIDIA・AMDとの競争激化(Perplexity社がインテル・AMDではなくNVIDIAのチップを選定した事例など)。
  • マクロ: 6月CPI(7/14発表)、7月28〜29日FOMC、雇用統計の下方修正トレンドが景気減速シグナルとなるか。
  • バリュエーション: シラーCAPEレシオ約41倍、フォワードPER約20.5倍という歴史的高水準での決算期入りであり、期待未達時の株価反応が増幅されやすい地合い。

まとめ

2026年7月14日から23日にかけての決算ラッシュは、金融セクターの底堅さとAI関連セクターの高成長という2つのテーマが同時に試される極めて重要な2週間となる。コンセンサスでは全体として好調な決算が見込まれているが、株価にはすでに相当な期待が織り込まれているため、「決算の中身」——特にNIMやクレジットコスト、EUV受注動向、CoWoSパッケージング能力の逼迫度合い、自動車マージン、18A歩留まり——といった質的な指標が、単純なEPS・売上の上回り・下回り以上に株価インパクトを持つ可能性が高い。投資家は個別決算の結果に加え、7月14日のCPIと7月28〜29日のFOMCという2つのマクロイベントも合わせて注視する必要がある。

本レポートは公開情報および各種アナリスト予想に基づく分析であり、特定の投資行動を推奨するものではありません。実際の投資判断にあたっては、最新の一次情報および専門家の助言をご確認ください。