【 個人的見解と投資行動 】

サーブロボティックスにも非常に割安感を感じます。高値から1/3まで下げています。これはエヌビディアが保有株全てを売却したことによるショック安です。

この分野は成長するのは間違いないと思いますし、横展開も幅広いと考えられます。ただし小型株ですので、保有額自体は小さく最初は入れることにします。

事業概要・沿革・業績推移・アナリスト評価・株価チャート

投資リサーチレポート

作成日:2026年7月6日

本レポートは情報提供のみを目的としており、投資助言・勧誘を目的とするものではありません。財務・株価データは各社IR資料や公開情報に基づきますが、要約・概算を含みます。投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて金融の専門家にご相談ください。

1. 企業概要 基本情報

ティッカー

NASDAQ: SERV

株価(2026/7/1

$6.5

時価総額

$5億($500530M

52週レンジ

$5.78$18.64

設立

2017年(2021年に独立会社化)

本社

米カリフォルニア州レッドウッドシティ

Nasdaq上場日

2024418

共同創業者 兼 CEO

アリ・カシャニ博士(Dr. Ali Kashani

従業員数

375

発行済株式数

7,700万株

2026年売上高見通し

$26M

主要パートナー

Uber Eats, DoorDash, 7-Eleven

サーブ・ロボティクスは、歩道を走行する自律配送ロボットを開発・運用する企業です。もともとは食品配送大手Postmatesの社内ロボティクス部門「Postmates X」として2017年に発足し、2020年のUberによるPostmates買収を経て、2021年3月にUberからスピンオフする形で独立企業となりました。2024年4月にNASDAQへアップリスティングし、現在はUber Eats・DoorDashをはじめとする配送プラットフォームと連携しながら、全米の都市で自律配送ロボットを展開しています。

2. 沿革

時期 出来事
2017年 Uber傘下Postmatesの社内ロボティクス部門「Postmates X」として発足(Ali Kashani氏がLox Inc.買収を通じて参画)
2018年12月 初代「Serve」配送ロボットを発表
2020年 ロサンゼルスでコロナ禍の商用配送サービスを開始
2020年12月 UberがPostmatesを約$26.5億で買収(Postmates Xも含む)
2021年3月2日 Uberからスピンオフし独立企業「Serve Robotics」として設立。Neo主導のシード資金調達(Uber、Long Journey Ventures等が参加)
2021年12月 $13Mのシード拡張ラウンドを実施
2022年1月13日 自律走行ロボットとして初めてレベル4の商用サービスを開始
2022年3月 NVIDIAが$10Mを出資
2022年5月〜6月 Uber Eatsでの自律配送パイロットを開始、最大2,000台のロボット展開契約を締結
2023年7月31日 ブランクチェック企業Patricia Acquisition Corp.とのリバースマージャーが完了(8月10日に正式発表)。Uber・NVIDIA・Wavemaker Partners等から$30Mを調達(累計調達額$56M)
2024年1月2日 NVIDIAが転換社債形式で$2.5Mを追加出資(同社債は同年4月22日付で株式に転換)
2024年3月7日 OTCQB市場にティッカー「SBOT」で上場
2024年4月18日 $40Mの公募増資とともにNASDAQへアップリスティング、ティッカーを「SERV」に変更(公開価格$4.00)
2024年7月18日 NVIDIAが同社株式の10%保有(373万株)を開示、株価が2営業日で+233%急騰
2024年11月 Vebu, Inc.(キッチン自動化ロボット「Autocado」)の買収を発表
2024年末 NVIDIAが保有株式を全て売却(2025年2月の13F開示で判明)
2025年1月 $91Mの新規資金調達を実施
2025年8月 Vayu Robotics(AI基盤モデルによる自律走行技術)を買収。同年前半にはPhantom Auto(低遅延遠隔操作技術、子会社Voysys含む)も買収済み
2025年10月 $100Mの登録直接募集(Registered Direct Offering)を実施
2025年12月 2,000台目のロボットを配備し、20都市・6大都市圏での展開を達成
2026年1月 Diligent Robotics(病院向けロボット「Moxi」)の買収を完了し、ヘルスケア分野に本格参入
2026年4月 対話型AIロボット「Maggie」をNVIDIA GTCで発表(T-Mobile 5G連携)

3. 事業内容・ビジネスモデル

プラットフォームの仕組み

サーブの自律配送ロボットは、カメラ・センサー・AIを活用して歩道上を走行し、レストランから消費者へのラストマイル配送を行います。2022年1月には自律走行ロボットとして初めて「レベル4」の商用サービスを開始しました。ハードウェアの製造はカナダの自動車部品大手Magna Internationalとの契約製造パートナーシップにより行われています。

収益源は、①配送プラットフォーム(Uber Eats、DoorDash等)経由の配送手数料を中心とする「フリート収益」、②ロボットのソフトウェア・データ・自律走行技術のライセンス供与による「ソフトウェア収益」、③ロボット車体を活用した広告・ブランディング収益の3つに大別されます。2026年第1四半期時点でソフトウェア収益は売上の約3分の1を占め、継続的収益(リカーリング収益)の比率が高まっています。

事業領域の多角化

2024年末から2025年にかけて、物理AI基盤技術のVayu Robotics、低遅延遠隔操作技術のPhantom Auto、厨房自動化ロボット「Autocado」を手掛けるVebuを買収しました。さらに2026年1月には、病院向けサービスロボット「Moxi」を展開するDiligent Roboticsの買収を完了し、屋外の歩道配送だけでなく屋内の病院内配送というヘルスケア分野にも事業を拡大しています。

主要パートナー・顧客

  • Uber Eats:スピンオフ元であり最大の配送プラットフォームパートナー。最大2,000台のロボット展開契約を締結。
  • DoorDash:2025年に複数年にわたる戦略的パートナーシップを締結し、Uber Eatsに次ぐ配送チャネルとして拡大中。
  • 7-Eleven、Shake Shack、Little Caesars、Jersey Mike’s、White Castle:ブランドパートナーとして自律配送を導入。
  • Magna International:ロボットのライセンス生産・製造委託先。
  • NVIDIA:技術パートナーとして自律走行AIの基盤技術(Jetsonプラットフォーム)を提供。2024年に株式の10%を保有したが、2024年末までに全株を売却。

4. 特徴・強み(競争優位性)

  • Uber・Postmatesという配送業界大手から生まれた事業基盤があり、Uber Eatsとの緊密な連携により配送需要への即時アクセスを持つ。
  • 2026年第1四半期時点で全米44都市・14州に展開し、約2,000台のロボットを運用する、歩道配送ロボットとして全米最大級のフリート規模。
  • 配送手数料に加え、ソフトウェア・データライセンス・広告・ヘルスケア(Diligent統合)など複数の収益源を持つビジネスモデルへの転換を推進中。
  • 時価総額が小さいため(約$5億)、事業が軌道に乗った場合の株価インパクトが相対的に大きい「小型高成長株」としての性格を持つ。
  • 2026年に入り、AI対話ロボット「Maggie」やT-Mobileとのエッジコンピューティング連携など、フィジカルAIを前面に押し出した新製品開発を加速。
  • 2025年通期でNVIDIAの株式売却という逆風を受けながらも、売上は前年比+46%、2026年第1四半期は前年比+578%と急拡大を継続。

5. 業績推移(四半期)

サーブ・ロボティクスは暦年決算(12月期)です。以下は、NASDAQへアップリスティングした2024年第1四半期から2026年第1四半期までの、売上高・GAAP純損失・成長率の推移です。

四半期 売上高(百万$) GAAP純損失(百万$) 成長率
2024 Q1 0.95 -7.65
2024 Q2 0.47 -9.04
2024 Q3 0.22 -8.00
2024 Q4 0.18 -14.5※ 773%(通期)
2025 Q1 0.44 -13.22 150%(前期比)
2025 Q2 0.64 -20.9※ 46%(前期比)
2025 Q3 0.69 -33.0 209%(前年比)
2025 Q4 0.90 -34.3※ 約400%(前年比)
2026 Q1 2.98 -49.0 578%(前年比)

2024年第4四半期・2025年第2四半期・2025年第4四半期のGAAP純損失は、通期決算発表や四半期比較コメントから逆算した概算値です(各社IR資料に四半期ごとの厳密な内訳が明示されていないため)。それ以外の数値は各四半期の決算発表(プレスリリース・SEC提出資料)に基づく確定値です。

通期ベースでは、2023年売上高$0.21M(純損失$24.8M)、2024年$1.8M(同+773%、純損失$39.2M)、2025年$2.7M(同+46%、純損失$101.4M)と、売上は急拡大を続ける一方、赤字幅も拡大しています。2026年第1四半期は売上高$2.98M(前年同期比+578%)に達し、単独四半期で2025年通期売上を上回りましたが、GAAP純損失は$49M(前年同期は$13.2M)に拡大しました。会社側は2026年通期の売上高ガイダンスを約$26M、非GAAPベースの営業費用を$160M〜$170Mと見込んでいます。

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出所:Serve Robotics Inc. 決算発表資料(8-K/プレスリリース、2024Q12026Q1)をもとに作成

6. アナリスト評価

2026年6月時点で8〜17社程度のアナリストがサーブ・ロボティクスをカバーしており、大半の集計サイトでコンセンサスは「強い買い(Strong Buy)」〜「買い(Buy)」とされています。ただし、目標株価には$13(Guggenheim)〜$26(Northland Capital Markets)と大きな幅があり、平均目標株価は集計時点により$17〜$18程度で推移しています。現在の株価(約$6.5)に対しては、いずれの目標株価も大幅な上振れを示している点が特徴です。

コンセンサス評価

強い買い〜買い

目標株価(平均)

$17$18

目標株価(安値)

$13Guggenheim

目標株価(高値)

$26Northland

主要アナリストの評価一覧

証券会社 レーティング 目標株価 日付 コメント
Northland Capital Markets $26 2026/1/2 ストリート最高値、Michael Latimoreアナリスト
Ladenburg Thalmann 買い(Buy) $16.60 2026/5/13 PTを$15→$16.60に引き上げ
Freedom Broker 中立(Hold) $18 2026/5/13頃 「希薄化・実行リスクの高まり」を理由にBuyから格下げ
Cantor Fitzgerald $16 2026年 PTを$17→$16に引き下げ
Guggenheim $13 2026/4/20 直近で最も保守的な水準
Wedbush $15 2026年 Daniel Ivesアナリスト

多くのアナリストは、フリート拡大の実績とソフトウェア・ヘルスケアへの収益多角化を評価し強気姿勢を維持していますが、2026年5月にはFreedom Brokerが「希薄化・実行リスクの高まり」を理由にBuyからHoldへ格下げするなど、資金調達の頻度や利益率改善ペースへの警戒感を示す声も出てきています。

目標株価と現在株価の乖離が非常に大きい点(現在株価の2倍以上の水準の目標株価が並ぶ)は、アナリストの強気姿勢の裏返しである一方、小型グロース株特有の予測の不確実性の高さを示している可能性がある点に留意が必要です。

7. 株価チャート

株価は2025年夏から秋にかけて、NVIDIAの出資判明や事業拡大期待を背景に52週高値($18.64)まで上昇しましたが、その後2025年末にかけてNVIDIAが保有株式を全て売却していたことが判明し、投資家心理が悪化。2026年に入ってからも、事業は拡大を続ける一方で株価は軟調に推移し、2026年7月時点では52週安値圏($6前後)で取引されています。

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出所:Yahoo FinanceRobinhoodMorningstarInvesting.com等の公開情報をもとに作成した概算トレンド(日次終値の正確な時系列データではありません)

8. リスク要因

  • 赤字の急拡大:2025年通期のGAAP純損失は$101.4Mと前年の2.6倍に拡大しており、売上規模($2.7M)に対して損失額が極めて大きい「投資フェーズ」が続いている。
  • 戦略的投資家の離脱:NVIDIAは2024年に株式の10%を保有していたが、2024年末までに保有株式を全て売却しており、これが2025年末以降の株価軟調の一因となった可能性がある。
  • 希薄化リスク:2024年以降、複数回の公募増資・私募・登録直接募集を繰り返しており(2024年$167M、2025年$91M+$100M等)、今後も追加の株式発行が行われる可能性がある。アナリストの一部(Freedom Broker)も希薄化リスクを格下げの理由に挙げている。
  • プラットフォーム依存:売上の相当部分をUber Eats・DoorDashなど少数の配送プラットフォームに依存しており、契約条件の変化が業績に大きく影響し得る。
  • 規制・都市ごとの許認可:歩道走行ロボットの運用には都市・州ごとの規制対応が必要であり、新規都市展開のペースに影響を与える可能性がある。
  • 競合環境:Starship Technologies、Nuro、Coco Robotics等、自律配送ロボット分野の競合が存在する。
  • 収益性の未実証:売上は急拡大しているものの、粗利益ベースでも赤字(2025年通期の粗損失$15.4M)であり、黒字化の時期は不透明。

9. 総括

サーブ・ロボティクスは、Uber・Postmates譲りの配送ネットワークを土台に、歩道配送ロボットのフリートを全米最大級まで拡大してきた企業です。2026年第1四半期には売上高が前年同期比+578%と急拡大し、ヘルスケア分野(Diligent Robotics買収)への多角化も進めるなど、事業の裾野は着実に広がっています。

一方で、株価は2025年秋の高値から3分の1程度まで下落しており、NVIDIAの株式売却、繰り返される増資による希薄化懸念、そして売上規模に対して極めて大きい赤字幅など、無視できないリスク要因も存在します。アナリストの目標株価は現在株価に対して大幅な上振れを示していますが、これは同時に、小型グロース株特有の予測の不確実性の高さの表れでもあります。投資にあたっては、収益の多角化の進捗や資金調達の頻度、赤字幅の縮小ペースを継続的に確認することが重要と考えられます。

本レポートは特定の銘柄の売買を推奨するものではなく、情報提供を目的として作成されています。投資判断は自己責任にて行い、必要に応じて金融の専門家にご相談ください。